「国際物流の発展と情報通信技術」

2008年度(H20年度)

12/4(木)は、山統㈱周(チュウ)氏(経博 平14卒、情報システム部長)に、第8講「国際物流の発展と情報通信技術(ICT)」の講義をしていただきました。
手のもののパワーポイントでわかりやすく、聴講生も熱心にメモをとっていました。
ありがとうございました。

周氏(1969年生、中国系マレー人、2男2女の父)は語学に堪能で、英語、日本語、マレー語、中国(北京語、広東語、福建語、海南語)ができます。1989年来日、静岡大卒、1994年大阪市大大学院に入学されました。
私事ですが、彼とは1995年来、中本悟ゼミ(アメリカ経済論)で一緒でした。その間、1998年山東大学ジョイントセミナー(8日間)、2002年マレーシア、シンガポール企業訪問(12日間)では、研究発表と共に通訳もやってもらい同行者が大助かりでした。

今回の同階段教室は、マイクの音量が後席まで届きにくく、講師と聴講生に申し訳なく思っています。
同階段教室の課題ではないでしょうか。

■講義の概要 
1.会社の概要
 ・創業 1981年4月  大阪市中央区淡路町2丁目6番11号
 ・資本金8,080万円(グループ全体4億円)(08年6月期)
 ・08年6月期売上高 45億円(グル-プ全体売上74億円) 経常利益113億円(4.5%)
 ・97名(グループ全体300名) 08年9月現在 
 ・事業種目 国際複合一貫輸送業 通関業 貨物運送取扱業 損害保険代理業
 ・事業所 東京 大阪本町 神戸 ソウル プサン 大連 煙台 天津 上海 無錫 寧波
  広州 深圳 厦門 香港 ホーチミン
 ・国内関連会社 三統神戸株式会社 FP信永株式会社
 ・海外関連会社 三統韓国株式会社 三統香港有限公司 上海三統国際貨運代理有限公司

2. 経済グロ-バルと国際物流
 ・地域協定の90年代以降の急増
 ・経済緊密化協定(EPA)
 ・日本アジア域内分業深化
 ・アジア中心の海上コンテナ貨物輸送
 ・アジアの港湾の発展
 ・日本の貿易 工業製品中心の輸出

3. 貿易:輸出・輸入・カネの流れ・情報(書類⇒デジタル化)の流れ

4. フォワーダーの活躍
 ・フォワーダー
  仲介人として荷主と輸送会社を結び付けて関連する書類を作成、ドアツードアの国際輸送を行
  なう代理業者
 ・運送・輸送手段をもたず、運送事業者の行う運送を利用して貨物を運送する事業で、海上輸送
  において船舶を持たないことから
  NVOCC(Non Vessel Operation Common Carrierの略、NVと略されることもある)
  と呼ばれることもある
 ・日本でのフォワーダー業:運送取次業、利用運送事業、航空代理店業、海運代理店業、海運
  仲立業、港湾運送業、倉庫業など
 ・三つの経済的役割
  ①時間調整 ②時間的調整 ③需給調整機能
 ・三統など国際フォワーダーの使命:国家間の富の分配を均衡化すること

5. 情報通信技術の進展
 ・PCの普及(ネットワーク機能、多言語対応など)
 ・インタネット普及、通信量の増大、IPアドレスの不足

6. 情報化社会 チャンスと脅威
 ・チャンス:フラット化、共同作業
 ・脅威
  ①コンピュータウイルス⇒情報セキュリティーマネジメントの重要性
  ②内部者によるセキュリティー対策の困難さ
 ・情報ネットワークの一元化

7. 三統:行動するアジア人の企業
  ①国籍、年齢、性別不問
  ②国際結婚が非常に多い
  ③海外ビジネスで独資を貫く(サービス業)
  ④海外拠点の人材—十年以上在籍社員が多い
  ⑤拠点間の人事異動・研修制度と人的交流
 
 今回の会場は「基礎教育実験棟階段教室」に変更にされ、田中記念館にくらべ遠くの場所のため、出席者が若干減少しました。

講義前に研究科長室で佐々木教授・高田会長と

周人英講師

講義会場:法学部棟703教室

講義会場:法学部棟703教室

画像の説明

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講義後の懇親会

(文・写真、竹内淳一郎)