「新聞の過去と未来」

2009年度(H21年度)

青木耕治 様

ご多忙のところ、誠にありがとうございました。
はじめてのマスコミ出身の講義に、学生や一般聴講生ともに熱心に聞き入っていました。                                                          
日ごろ聞けなかった朝日新聞社ことが、よく理解できたと思います。
朝品新聞の文字入り「はっぴ姿」での熱弁は、圧巻でした(写真添付)。    
今回は、大学のVOD教材制作にビデオ撮影班が入り、協力をいただき感謝しています(写真添付)。    

第11講は、青木耕治氏(経S44、元・朝日新聞社会部記者)の「新聞の過去と未来」でした。
  
■講義概要
1. 現在の新聞
 1)現在の購読部数(万部)・・・日本ABC協会発表の数字
  ①読売1,001、②朝日803、③毎日380、日経305、中日グループ342、産経192
 2)新聞離れ
  ・本当にそんなに読者が読んでいるか、疑問とのこと
  ・広告単価を維持するための数字かなど、一部広告主がクレームをつけいている
  ・実態を知る各社は、販売部数減、広告減に強い危機感を持っている
  ・呉越同舟の動き活発
    毎日新聞は共同通信に再加入
    朝日新聞もライバルの読売新聞と印刷などで提携など

2.新聞社が紙面以外にどんな活動をしてきたか
 1)南極観測・・・・朝日新聞社が始めた
  ・白瀬 矗(のぶ)陸軍中佐の南極探検のきっかけ
   (1912年1月28日、白瀬以下5名が南緯80度の地点に到達)
  ・最初の南極観測に同社社員10人が参加
  ・最初に同社の女性記者が越冬
  ・南極など探検専門記者も育てている

 2)べルマーク運動
  ・この運動を始めたも朝日新聞
   (1960年の創立80周年記念事業)
  ・これまで233億円の資金が各校に送られたへき地校への援助資金は38.8億円に達した
  ・ベルマーク教育助成財団は、銀座の朝日ビル内に事務局があり、専務理事は、同社の編集担当重役がつてめている

 3)高校野球
   1915年 第1回全国中等学校優勝野球大会(豊中球場)で開催 参加校73校
   2009年 第91回大会 参加校(4,041校)

 4)各種展覧会・・・古今東西の名作の展覧会開催を各新聞社が奪い合っている
   1965年 ツタンカーメン展(293万人):過去最大の動員数
   2009年 国宝 阿修羅展(200万人)
   1964年 ミロのビーナス(170万人

 5)日本学生航空連盟(1930年結成)

 6)がん撲滅・・・日本がん協会は1958年、同社創立80周年事業の一つとして設立された

3. これからの新聞社
 1)データベースコンテンツ・・・朝日新聞記事データベース「聞蔵シリーズ」「朝日けんさくくん」
  ・今年4月 明治、大正紙面のデータベース化・・・記事の検索、広告の検索ができる
   (創立130周年記念事業)
  ・面蔵Ⅱ 前年比10%の伸び
  ・小中高生向けの「朝日けんさくくん」、中小企業向けの「キジサク」も好評

 2)不動産業
  ・新聞社は、読者の目減りをどれだけ減らせるかに経営をかけている
  ・新聞社に限らず、TBSも赤坂サカンスでテナント収入をあてにしている

講義前、佐々木教授と懇談

青木耕治講師と佐々木教授

青木耕治講師

青木耕治講師

青木耕治講師

聴講生

(文、写真、竹内淳一郎)