自動車部品業界の動向
酒井祥夫 様
自動車部品業界のことが、豊富な業界データや写真などにより、実体験をふまえた講義は、よく理解できたと思います。ご多忙のところ、ありがとうございました。
■ テーマ
「自動車部品業界の動向」
■ 略 歴
1973年3月 大阪市立大学経済学部卒業(小野義彦ゼミ)
1973年4月 光洋精工㈱(現 ㈱ジェイテクト:JTEKT)入社
2011年6月 ダイベア㈱取締役社長
■ 会社概要(2010年3月期)
(1)㈱ジェイテクト 創業 1921年 名古屋本社・大阪本社(南船場)
資本金 455億円(2010年9月現在)
売上高 連結 9,554億円 単独 5,471億円
従業員 連結 36,775名 単独 9,906名
事業内容 ステアリング、ベアリング、駆動部品、工作機械
国内事業所
本社2、研究開発センター3、電動システム開発センター1、工場11、支社・営業所16、物流センター3
海外拠点 87箇所(欧州31、米国 18、アジア・オセアニア38)
海外駐在員 約350名
(2)ダイベア㈱ 創業 1936年 本社(大阪府和泉市):大証2部上場
売上高 234億円
従業員 592名
事業内容 各種 ベアリング(軸受)の製造、販売
■ 講義内容
1. 自動車産業の現状
2. 自動車部品産業の現状・・・世界を支える技術者集団
3. ベアリング・ステアリングについて
4. 課題と展望
4.1 課 題
6重苦+α~
①為替・円高(現地調達⇒国内の空洞化
②高率な法人税
③FTA(自由貿易協定の対応遅れ
④製造業への派遣禁止等の労働規制
⑤CO2 25%削減
⑥東日本大震災後の電力不足
・資源の高騰(鉄鉱石、原油、レアメタル)
・デフレの進行による企業体力の消耗
・不透明な政局
4.2 展望
(1)国内産業の方向性
①コスト格差、生産の「地産地消化などで海外向け生産は縮小必至
②これから国内で必要となってくる物については、まだ十分に賄えていない。
海外向け 方向性・・・無人工場化、マザー工場戦略
エネルギー、食料・水⇒今後不足が必死
国内向け 方向性・・・ロボット、医療、観光⇒市場規模の拡大
(2)自動車部品産業の展望
①海外現地生産・現地調達の拡大(市場に近いところへの進出)
②M&A(合併・買収)による競争力強化
③国内での生き残り
・製造技術面:省人化(ロボット化)、高品質化 等
・研究開発拠点としての充実
・新製品の開発・新技術による他応用分野への進出
(新素材、省・再生エネルギー、環境、医療、食物、IT分野)
④リスクマネジメント・サプライチェーンの再構築