銀行海外での企業経営

2007年度(H19年度)

田仲勇一郎 様

タイトル:「海外での企業経営 -銀行員からの眼-」(石油と蘭の国での人との出会い)

ご多忙のところ、ご講義、ありがとうございました。

「波乱万丈」の人生といわれるように、ご自分の海外体験を熱く受講生の語られ、思いは届いたと思います。
①どこの国の人間も「笑うと、笑う」、「人の非を言われると、怒る」
②相手の国を知ること、「聞く耳を」もち、相手の懐に飛び込んでいくことが大切
③「若いうちの苦労は買ってでもしろ」の教訓や
④「何でも見てやろう」という好奇心があれば、いかなる困難もぶっつかっても、あっさり乗越えてしまっていたこともある
⑤思い返してみると、その逆境のとき、必ずや、人との出会いがあった 

講義内容

国際経済論特殊講義の10講目でした。

(はじめに) 本講義を引き受けた理由—今、日本人に求めれれていること—
  ・みんなに助けられて、生きてきたことを、伝える喜び
1. 社会のおける自分の置かれた立場をどう認識するか?
  —過去の経験は必ず生きる(その中には人との出会いがある—

2. 海外で出くわした困難への対処—海外での交渉で得た苦い経験と乗越えた時の喜び—
 1)本町支店外国為替課から日米会話学院へ派遣(1972年、6ヶ月、1976年米国研修旅行、1ヶ月)

 2)兜町支店(M&Aの案件に触れる)から組合専従へ

 3)アルゼンチンへ赴任(トレーニー研修生)(1980年1年南米放浪の体験)
  ①親日的な国民性(イタリア、スペイン、ドイツ、欧州からの移民)
  ②広大な国土、豊富な資源 ③安定した政治 ④100%インフレの知恵
  ⑤裕福なる故に貧困に悩む矛盾 ⑥教育に熱心な国民性
  ⑦頭脳流出(外に向いた眼) ⑧ペロン大統領は勤労者を甘やかした?

 4)国際部での訓練
  ・ペンシルバニア大ウオ校:カントリーリスク分析手法
  ・リビア中央銀行発行の信用状の確認(連帯保証):国際協調保証案件への取り組み(1981年)

 5)ベネズエラ(OPEC提唱国)での滞在 (1983/9~86/12)
  ・ベネズエラ政府発行円建て債の期日利払い資金確保の交渉
  ・債務交換(スワップ)の原型をつくる
  ⇒大勢の外国人の前で、しかも外国語で、少しばかりでも「自分お考え」を言えることに勇気づけられた

 6)コロンビアを知る:「勤勉で辛抱強い国民性」
   南米諸国が債務繰り延べに走った時、コロンビアが、大丈夫!と答えるまで、
   大蔵省、経企庁、コロンビア中央銀行などに通いつめた体験から・・・

 7)エクアドルの債務繰り延べ交渉の開始に当たって:ステアリングコミティー(顧問団の設立準備)

 8)香港支店で学んだこと《欧米・華僑の世界》—金融界のるつぼ(光と影)

 9)中国との関係《中国での現地生産にかけた日本企業の夢・下請企業の悲哀》

10)シンガポールへの誘い《ヤクルト・シンガポール社の総支配人へ》—(第二の青春)

3. 日本にいて海外勤務する同僚の商談を助ける

4. 自分が実際企業経営に携わって感じたこと
(おわりに) 歴史は繰り返す—本当に人間社会は発展を繰り返しているのか?
(原稿を作って) 《何のために、ここまで書き込んだのか?》

講義前研究科長室で田畑教授、佐々木教授と懇談
田仲勇一郎講師
講義後の記念撮影