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滋賀県のNPO法人たねや近江文庫が募集した「第2回ふるさと賞」(故郷への思いや願い、近江の歴史や文化の紹介など、ジャンルを問わず募集し、広く発信することを目的としたもの)の受賞作品です。
60歳をすぎて、退職後の生活に必要だと思われる「妻からの自立」「子供たちからの自立」「会社とその仲間からの自立」という3つの課題に、四季の風物を眺め、家族のこと、歴史のこと、その時々の社会・経済問題のことなどにも思いを馳せて、滋賀(私の故郷ではありませんが)を巡りながら取り組んだエッセイです。大阪経済の復権をどう考えるかということから、大阪商科大学創立の経緯についてもふれてみました。
一方で、歳とともに昂ぶってくる「望郷の思い」と、銀行退職後勤めた会社の「上司への感謝」の気持をどう表わしたらいいのかという悩みについても赤裸々に心情を吐露しています。
「3つの自立」を縦糸に、「2つの思い」を横糸にした、リタイア世代のだれもが持っている気持ちを整理した作品です。(著者記 有恒会報第191号から転載)
目 次
プロローグ
夏
湖北の十一面観音
蓮
梅花藻
比叡山
季節のはざまにて
秋
朽木街道
石塔寺から安土城跡
湖東三山
冬
近江商人
余呉湖
春
菜の花と義仲寺
石山寺
彦根城
エピローグ
あとがき
著者プロフィール
森定 学(もりさだ まなぶ)
昭和21年2月生まれ
大阪市立大学経済学部卒業
第一勧業銀行(現みずほ銀行)庄内支店長・天満橋支店長を経て、センチュリー・リーシング・システム(現東京センチュリーリース)取締役 西日本営業本部長、トウペ常務取締役、平成20年6月退任
奈良市在住