「キャリア形成ゼミを終えて」

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2011年度 経済学部キャリア形成ゼミ(島村幸光)
                       
演習の主題と目標

我国の小売業再生の鍵を探る

世界経済危機を境に先進国から新興国へパワーシフトするグローバル社会に、国家や企業がどのように向き合うかが緊急の課題である。取分け製造業に比べ小売業はドメスチックな産業として、国内経済の減速・人口減少・高齢化の影響を受けて、国内消費市場が縮小化する現実に如何に適応するのか、また市場拡大を求めてグローバル化への戦略を如何に実現して行くかを探る。
今回は、主力の百貨店業態・GMS業態・CVS業態の3業態を対象として、小売業の革新動向を考察する。

テーマ:小売業の革新

課  題

2011年は、大阪梅田が流通業界の注目を集めている、百貨店業態の新戦略店舗が相次ぎ開業し、これらの成果が今後の小売業界の行方を決するかも知れないからであります。
今回のキャリア形成ゼミの受講者の皆さんに、下記対象企業の「新百貨店モデル」を視察し、その戦略性を検証することとします。

1.「JR大阪三越伊勢丹」店舗面積:50,000㎡、開業:2011年5月4日、
2.「大丸梅田店」店舗面積:64,000㎡、開業:2011年4月19日、
3.「阪急阪神百貨店」、店舗面積:阪急うめだ本店:84,000㎡、
                阪神梅田本店:53,000㎡、
                2012年秋、阪急うめだ本店全館開業、

平成23年度前期、「大阪市立大学経済学部キャリア形成ゼミ」を終えて

私の担当致しました主題「小売業の革新」について、最新の企業情報(平成23年3月期決算)までを取り込み、各業態の上位企業3,4社の分析から、各企業の再生をかけた革新動向を、ゼミ生の皆さんにお伝えしたいという思いで取組ました。
最初の各自紹介のお話では、皆さんの将来志望が金融機関、商社関係が多く聞かれ、私の主題に関して、どのような動機(事前のシラバス)で受講されたか、若干不安を感じました。しかし、ゼミ形式でありますことから受講生個々の表情も見ながら授業も進めることができ、経友会講座の時よりも受講生皆さんの反応を実感致することができました。
なお、最後のゼミの研究課題を皆さんに実際に自分の目で確かめて頂くため、大阪梅田地区の最新店舖を対象にいたしました。後で皆さんに時間的な負担をかけて申し訳ないと思いましたが、最終日の皆さんからグループ単位で絞ったテーマ:今話題の「デバ地下・食品の魅力度比較」、「百貨店の最新ファッション比較」、「百貨店の大都市における社会的機能評価」について、一人ずつ発表していただくと同時にグループ単位の纏めもしていただき、各自が責任をもって熱心に課題に取り組み、見事に検証した成果を生み出した受講生の結束力も大いに評価致したいと思います。最初の不安感も解消されました。
最後に、指導されました柴田淳先生、企画講座に携われた関係者、受講生の皆さん、各位に深く感謝を申し上げます。
                               平成23年7月盛夏
                                  島村 幸光

キャリア形成ゼミの学生たちと 前列中央が島村幸光氏

<講師紹介>

島村幸光(しまむら ゆきみつ) 1940年 三重県生まれ

最終学歴

1998年 大阪市立大学大学院 経済学研究科(中国経済論) 前期博士課程修了

職  歴

近畿日本鉄道㈱入社、後㈱近鉄百貨店設立時に転籍、以後チェーンスト企業の取締役開発本部長、常務取締役企画室長を経て、百貨店本店次長、法人外商本部長を経て、フランス・コクランエネ社との提携企業代表取締役社長、引き続き百貨店取締役事業本部長、取締役営業推進本部長、㈱エ―エム・ピーエム近鉄代表取締役社長、通算在職41年
現在 YSソリューション 代表

著  書

○執筆担当「外資系小売業の中国進出」佐々木信彰編『現代中国経済の分析』
      世界思想社 1997年
○執筆担当「中国流通近代化の現状と展望」佐々木信彰編『中国経済の展望』
      世界思想社 2000年

講  師

○本学経友会講座担当2回、阪南大学客員講師(2001年~2003年)

中国関連

○上海市政府系百貨店企業の経営コンサルタント業務参画(1998年~1999年)
                                以 上