「コマツの経営構造改革」

坂根 正弘 講師

ご多忙のところ、誠にありがとうございました。
「コマツの経営構造改革」の講義、学生や一般聴講生も大変興味深く聞き入り、重要なところは、ノートに記してました。

第4回経友会講座「国際経済論特殊講義2」が始まりました。
2005年10月に始めて4年目になります。
経済学研究科長は、本年度・海老塚明先生(前・田畑理一先生)が就任されました。
金児学長は、坂根会長とお会いになり、感謝の意を表されました(写真添付)。
坂根会長は今年50回もの講演されているそうです。
今年度も「田中記念館大ホール」(定員454人)の講義です。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

■ コマツの概要(2007年度実績)
 設立 1921-5-13
 連結売上高 2兆1,430億円(建設機械・車両91.%産業機械他8.7%91.%産業機械他8.7%)
 建設機械・車両の地域別連結売上高:グローバル化が進む
 日本18.1% 北米15.7% 中南米9.2% 欧州・CIS209% 中国8.9% アジア・オセアニア16.0%
 営業利益 3,328億円
 総資産  2兆1,051億円
 連結社員数 39,267人(外人約53%)
『建機需要が低迷していた2001年にコマツの歴史において初めて営業赤字に陥った。』
『経営改革はトップである社長が現場に密着して、経営を「見える化」することから始め
た。コマツの具体的な強みと弱みを分析、社内外に発信した。』

■ 本日のまとめ(パワーポイントを転載)
1.国も企業も基本は、成長とコストを区分して推進すること。
2.コストは、固定費と変動費に分けて考えること。
  ⇒固定費負担に押しつぶされるケースが多々ある。
3.日本の成長はグローバル、特にアジアとの共栄しかない。
  ⇒国際産業から国内産業への還流が課題。
4.今は元気なコマツも、日本オペレーションの国際競争力を維持していく上での課題は多い。
 (1)生活コストの安い地方の活用(格差の戦略的活用)
 (2)中小企業との格差の是正
 (3)物流改革(貿易インフラ)
 (4)グローバルな人材の育成、特に生産技術者の育成

■ コマツの経営構造改革のキーワード⇒国レベルでも同じでは
.「改革と成長」とは別もの:改革をしたら、成長するとは限らない。
国の課題 改革のキーワード
経営改革
(1)見える化
(2)成長とコストの分離
(3)強みを磨き、弱みを改革
(4)大手術は1回だけ

戦略立案
(1)固定費の削減
(2)アジアでの成長
(3)ダントツ商品、ダントツ商品の開発

『世界の経済成長の中心は日米欧から発展途上国に比重が移っており、グローバル化の流れは今後も変わらないだろう。ロシアや中近東を含めたアジア地域の建機市場ではコマツがトップであり、今後もこの地域を重点的に強化する。』

ダントツ戦略 
(1)環境
(2)安全 
(3)IT(オフィス&現場)
『IT(情報技術)を活用して建機の位置や稼動状況を遠隔管理したり、ダンプトラックを完全無人運転で動かす技術では業界をリードしている。』
通信衛星でセンサリングをし、サービスコスト大幅削減した。

■ 学生に就職時のアドバイス
・一番手の企業に入ること
・マニアル通りの答弁より、自分らしさをだそう(省略)

■ 出席カード提出者
・経済学部289名 商学部27名 法学部14名 文学部21名 合計351名(竹内淳一郎記)
学長室
聴講する学生たち
坂根会長
講演する坂根会長と聴講生たち
(文・写真 竹内淳一郎)