「医院経営からみた医療の現状」
経友会講座⑩ 武田正先生(医S59)
武田 正 様
ご多忙のところ、誠にありがとうございました。
はじめての医学部出身の講義(ご専門は肝臓)に、学生や一般聴講生ともに熱心に聞き入っていました。
とくに、
①肝癌の原因の大多数はウイルス、肝発癌はIFN(インターフェロン)治療により抑制される。
②医療制度改革の問題点
③英国の医師の士気の崩壊など
日ごろ聞けなかったデータの基づくご説明に、医療の現状がよく理解できました。
第10講は、武田 正 氏(医S59、医学博士、武田内科クリニック 院長)の
「医院経営から見た医療の現状–医は仁術?算術?それとも・・・–」でした。
■武田内科クリニック
大阪市阿倍野区松崎町2-9-5 セレスタ阿倍野松崎103号
http://takeda-naika.jp/
■講義概要
1.肝癌の原因の大多数はウイルス
・肝癌は肺癌、胃癌に次ぐ第3位の癌 男性が多い
・C型肝炎ウイルス(HCV)感染者は200万人程度。
・IFN(インターフェロン)治療により抑制
2.公的医療制度と改革大綱
・公的医療制度(健康保険、国民健康保険、船員保険、共済保険、老人保健)
・保険料の仕組み
・改革大綱
・社会保障費国庫支出の推移
団塊の世代が被保険者の対象になる(2011年)までに、プライマリーバランスを黒字にする
・ジェネリック医薬品(後発医薬品)の特徴。
・各国の対GNP総医療費(2005年)
・介護保険:「介護難民」が生み出される理由
3.医師の士気の崩壊(英ブレア政権下の医療費拡大)
1)「消費者中心の医療」という概念に問題点がある
・市場原理に基づくなら利益極大、利己行動に働く
・英国や日本の医者は高度な知識や技量で患者に寄与することが生きがいと誇りを感じる
・医療は社会が共有すべき財産である
2)大学・大学院・医局の問題点
(文、写真、竹内淳一郎)