「食品業界の商品企画・マーケティング」
大島先生
緒方さんをご紹介いただき、ありがとうございました。
若いながら、いや若いがゆえのすばらしい講義でした。
緒方 正和 様
ポッキー&プリッツの日(11/11 12回目、日本記念日協会認定)に講義をしていただき、ありがとうございました。TVニュースによると今年も、お店で行列ができたそうでよかったですね。
学生とあまりかわらない若い講師(経H13年卒業)のグリコの商品企画体験からのに講義には、迫力があり、近親間も呼び、学生が熱心に聞き入ったいました。
2012年度にでも、キャリア形成ゼミ(1クラス12名以内、2009年創設)の講師に願いしたく思いました。
その節には、よろしくお願いします。
緒方 正和氏(経H13、江崎グリコ㈱マーケティング部菓子グループ)の
「食品業界における商品企画・マーケティング」でした。
■講義概要(レジメより)
1.江崎グリコ㈱ 会社概要(2010/3月期)
創 立 1922(大正11)年2月11日
資本金 77億7,300億円 (自己資本比率 52.2%)
売上高(連結) 2,845億円( 単独1,418億円) 海外子会社売上5.0%
菓子29.9%、冷菓20.4%、牛乳・乳製品29.8%、食品8.8%、畜産加工11.1%
販売促進費12.1%、広告宣伝費4.4%
経常利益(連結) 123億円(4.1%)
生産工場 国内 工場(12工場)
2012年10社(新設1、閉鎖3)に集約(2010/11/16付讀賣新聞)
1970年タイに現地法人「タイグリコ」を設立(ポッキー、プリッツの現地生産を開始)
1982年フランスに合弁会社「ジェネラルビスケット グリコ フランス」を設立
(ポッキーを現地生産:商品名MICADO)
1995年現地法人「上海江崎格力高食品有限公司」設立
2006年〃「〃南奉食品有限公司」設立(2007/5/21 ニュースリリース)
販売子会社 米国江崎グリコ、カナダグリコ
従業員 1,088人(単独)
2.食品製造業・菓子市場の現状
食品製造業の規模(H20年工業統計表【概要版】データ 2010(H22).2.23掲載)
(食品製造業) (輸送用機械器具製造業) (製造業計)
事業所数 46,504(10.5%) 17,526 (4.0%) 442,562(100.0%)
事業者数 117万人(13.4%) 104万人(11.9%) 873万人(100.0%)
出荷額 26兆円(7.4%) 64兆円(18.9%) 338兆円(100.0%)
3.業界が直面する主な課題
1)食の安全・安心志向
2)少子高齢化/国内の人口・世帯構造の変化
3)消費者ニーズ・嗜好の多様化
食感・・・ もちもち ふわふわ 濃厚 濃い味
おやつの時間 3時⇒夕方から夜
4)プライベート(PB)の動向・・・・2.8兆円(+30%/10年間)
5)海外強化、業界再編・資本提携の動き
4.ロングセラー商品(定番商品)の重要性
・定番商品とは、流行に左右されず、一定の人気を保つロングセラー商品をさす
・多くの消費者にとって食べたり、使ったりした経験がある
・財布のヒモが固くなると、信頼感のある定番商品を買い求める傾向が強まって、店頭シェアも高まる
・開発秘話やブランドヒストリーがある
・その企業の顔(看板)的な存在
1963年発売 「バーモンドカレー」 ハウス食品
1966年 「ポッキーチョコレート」 江崎グリコ
1971年 「カップヌードル」 日清食品
1973年 「ブルガリヤヨーグルト」 明治乳業
1989年 「スーパードライ」 アサヒビール
1989年 「お~いお茶」 伊藤園
5.ポッキーブランドのの歴史と現在
6.商品体験:どのように発想するか
発想は、拡散と収束で構成
拡散・・・アイデアを広げる
思考法(1) 垂直発想 水平発想 逆転発想 結合発想 増強発想
思考法(2) アレックス・Fオズボーンのチェックリスト(9項目)
収束・・・アイデアを整理する
・アイデアをだす時の心構え
「すぐ思いつく程度のアイデアなら誰でも思いつくため、感動はあたえられない」
「思いついたアイデアに満足してはいけない。もっと、他の考え方はできないか」
・「多くの事実・情報」を備え、「人(の行動)に対して観察力・洞察力」を磨くことが、マーケッター・商品企画担当者としては重要!!
1)消費者調査・・・体系的・理論的にお客様を知る
2)売場情報・・・現場を見て、ヒントをつかむ
3)本人の経験・・・いち消費者としての経験で本音を探る
(文・写真、竹内淳一郎)